木曜クラス、還元作品

木曜・昼クラス荻野さんの抹茶茶碗。
素焼き後、もみじを貼った素地の上からベンガラを塗り、その後、赤志野釉を柄杓がけ。
この釉薬は還元焼成がとてもお薦めです。ベンガラの発色も良く、釉の濃淡による色の変化も美しく出ました。
お抹茶の色がとても合いそうな良い茶碗ができたと思います。

木曜・夜クラス、長田さんの作品。
手前のお皿は電動ロクロにて成形。奥の二つは既存の素焼き素地に色付けした物です。
赤志野のほんのりとしたオレンジ色(手前左)と御深井釉の水色の淡い濃淡(手前右)が優しく、とても料理が映えそうないい色です。
後ろのカップも左側は御深井釉、素地が茶色のなでグレーっぽい色になって、それもまたいい感じです。
右側は織部釉。渋い色みに落ち着きがあります。
還元焼成は深みのある色が出やすく、質感も焼き物ならではの奥行きとあたたかさが感じられるものになることが多いです。
教室では数ヶ月に一度しかやっていませんが、参加作品が多ければもう少し焼成頻度を上げていきますので、ぜひご参加ください。
日曜クラス作品

転職してこの春から四日市で急須作りの職人さんとして働き始めた久保田さん(日曜クラス)の制作の様子。
写真の木型は萬古焼・型萬古の特徴でもある、急須作りに使用するもの。木型の中央にある赤茶色の部分がリング状になっていて、それを上へ引きぬくと、下の球状の部分が細かく解体できる仕組み。
これによって袋状の急須のボディーが内型で作れるし、その上内側に模様をつけることもできる。

手前の白い丸型のは急須の蓋用。左側の三本は注ぎ口用など。型はパーツごとに細かく分かれている。
これらの型に2mmというとても薄いタタラ(板状の粘土)を貼り付けていく。

蓋のつまみ(上部の丸いところ)はくるくると回転する。持ち手も先のリング状の部分はゆらゆらとする飾り。
細かな細工ととても軽いのも、この萬古焼・型萬古の急須の特徴。


素焼き後、釉薬はとても薄い水釉をサラッとかけて、焼きしめて完成。
驚くほど軽くできていました。
正直、こういう技法の存在は知っていましたが、実際にそれで制作している様子を見るのははじめてでした。
陶芸は日本各地に産業や伝統として多く根付いていて、そこにはその地域ならではの技法も沢山存在します。
そういうのを知り、またその背景にある歴史などを見て行くのも、陶芸の楽しみなのかもしれません。
久保田さん、貴重な型、持参して頂きありがとうございました。